2002年5月27日

 京都の北方、にぎやかな市街をはるかに見おろす鞍馬山の山腹に、牛若丸が幼少期を過ごした鞍馬寺があります。02年5月、拙作「残夢」を上梓してほどない初夏のころ訪れました。幸いにも当日は新緑みずみずしいよい天気。観光客も少なく、太古の自然が残されたままの鞍馬山は、森林浴にもうってつけ。しかし撮れた写真は、…わぁ暗い!めっちゃ暗い!モノノケでも写ってそうなおどろおどろしい雰囲気。本当はもっと明るくてさわやかな景色なんだー!ということを念頭においてどうぞごらんください…

由岐神社
叡山電鉄鞍馬線の終点・鞍馬駅を下車、石段を登れば鞍馬寺の仁王門。そこからケーブル「牛若号」で一気に本殿の目前、多宝塔まで行けますが、しんどくても九十九折の参道を歩いていったほうが多くの史蹟・名所に出会えて楽しい。そのうちのひとつがこの由岐神社。左右対称の舞台造り、真ん中に石段が通り抜けている珍しいタイプの割拝殿。毎年10月には京都三大奇祭のひとつ“鞍馬の火祭り”の舞台となります。


義経公供養塔
由岐神社のほど近く、牛若丸の居住していたという東光坊跡にある供養塔。涼しげな木陰のなかに、ひっそりと建っています。

本殿金堂
奈良時代の創建。魔王尊・毘沙門天・千手観音の三尊が祀られており、現在は鞍馬弘教の総本山。写真には写ってないけど阿吽の狛犬が虎(しかも猫背)でけっこうカワイイ。またこの日の前夜は、生類すべてのめざめを祈る神秘的な祭典「五月満月(ウエサク)祭」がおこなわれていたそうで、本殿の床には瓶入りの蝋燭の燃え残りが多数置かれたままになっていて、祭りの名残がうかがえました。

木の根道
鞍馬から貴船に抜ける1.5キロほどの起伏にとんだ山道。ゆっくり歩けば1時間はかかるかも。牛若丸と天狗伝説の舞台でもあります。木の根が地表に露出して這う険しい道、360度木立に囲まれ、むせかえるほど濃い緑の山気。天狗が棲んでいてもおかしくなさそうな、いかにも神秘的な景観です。

牛若丸息次ぎの水
貴船への山道に入ってほどないところにある、牛若丸が修行の合間に喉を潤したとされる湧き水。…って、湧いてないやん!柄杓は置いてあるけれど。枯れてしまったのか、この時だけたまたま干上がっていたのか。気になる…

源義経公背比石
奥州にくだる牛若丸が名残を惜しんで背丈を比べたといわれる石。木の囲いのなかの石がそれ。低っ!私がしゃがんでようやく並ぶほど。これが十六歳の少年の身長か?いくら牛若丸がおチビちゃんとてこりゃあんまりだ。小さいにもほどがあるだろ!…と、思うさまツッコませていただきました。

義経堂
悲運の最期を遂げた義経の魂を遮那王尊として祀った御堂。この近くには牛若丸が鞍馬天狗と出会ったとされる僧正ヶ谷不動堂もある。杉の大木の枝々が空を覆い、あたりはしんと薄暗い。それにしてもこの写真は暗すぎ。何が何だかさっぱりわからん。もっとちゃんとしたカメラで撮らんかい!と今度は自分にツッ込まねばなるまい。

このほかにも、奥の院魔王殿(金星から650年前!にやってきた魔王尊をお祀りしている)などいろいろと見どころ・史蹟は数多いのですが、いかんせん、写真が暗いとにかく暗い!こんなのとうてい人様にお見せできないわ!というわけで、
パンフレットをどうぞ…
 鞍馬から貴船への山道はけっこうハードなので、女性のひとり歩き・悪天候の通行は危険かも。なるべく複数で、ハイキング感覚で楽しく散策しましょう。信仰厚い人達の瞑想の場にもなっているみたいなのでお邪魔をしない程度に…
 貴船へ抜けたら貴船神社へお参りを。水を司る神社で、縁結び・縁切りにもご利益が。水に浮かべると文字が浮かび上がる水占いみくじが人気です。参道には食事処が多数立ち並び、夏場には川床料理が楽しめます。

鞍馬リベンジ・2005年大河の旅京都編をどうぞ(写真も少しは見やすくなってます)→→→
さらにリベンジ・2006年京都ツアー編をどうぞ(写真もうちょい見やすくなってます)→→→

クロウ旅日記へ